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■2006年01月06日(金) 裏話 その1 | ||
エルフェンリートが完結して、3ヶ月近くが経ちました。 作者が作品について語るのはあまり良い事じゃないと思ってるので、今まではなるべくエルフェンリートについて語らないようにしていましたが、もうそろそろいいかな・・・ということで裏話的なことをいくつか書いていきたいと思います。 ◆連載前の構想と違ったところ 連載のネームを描き始めてから実際に連載が始まるまでには1年半ほどかかったので、大まかなストーリーの流れはだいたい連載前に構想ができていました。実際も概ねその通りに展開を進めることが出来たのですが、大きく違ったこともいくつかあります。 一番大きな違いは、連載前の構想ではナナがいませんでした。 その代わりにユカの同級生の浪人生が登場する予定でした。イメージ的にはセーラージュピター風のお姉さんっぽいポニーテールのキャラです。 ナナが登場したのは本当に取って付けたというか、ナナが初めて登場する7話目の最初のネームはコウタがにゅうのパンツを脱がすシーンで引いていたのですが、この7話目がカラー扉だったので担当さんから「せっかくのカラー扉の回なのに引きが弱い」と言われて、取って付けたように囚われの血塗れディクロニウスを描きました。これ誰だろう・・・と思いつつも、まぁなんとかなるだろうとしばらく放置することに・・・ ナナが再び登場する12話目の最初のネームでもナナは影も形もなく、外に出たルーシーがズッコケ婦人警官を殺すという話だったのですが、担当さんから「つまらない」と全ボツを出され、えーどうしよう・・・と困ったあげく、あ、あの血まみれディクロニウスの話を書いてみよう、と思いついたのが今の12話目です。トイレの中で閃いたのをよく覚えています。そしてその後ナナはルーシーから手足をちぎられて袋叩きに遭うのですが、その回のアンケートがものすごく悪かったので、担当さんから「もうナナを出すな」と言われてナナはしばらく干されることに。でも自分の中で勝手にナナの構想が広がったので、その後は大活躍です。 逆にいてもいなくても一緒と言われ、アニメではオルゴールになってしまったノゾミは、構想の大分最初の方からいました。 ◆マリコの延命 もう一つ、描いてる途中で大きく変わったのがマリコの最後です。最初のネームではマリコは途中で落ちてきたミサイルに潰されて死ぬ予定でした。そのつもりでミサイルを落としたのですが、次の回で蔵間をかばってマリコだけがミサイルに潰されて死んでいた・・・というネームを描いたら担当さんから「マリコを生かして蔵間を殺して」と言われて大弱りです。ここでマリコ編が終わるとルーシーもコウタも絡まないままだから、というのがその理由だったのですが、それは確かに一理あったので、でももうミサイル落としちゃったし、蔵間はこの後も狂言回しとして必要だし・・・ということで、結局両方生かすことにしました。苦肉の策とはいえ「みゅ?」ってなんだよ!!とか思いながら・・・ 当時の担当さんとはストーリーの展開とかを打ち合わせすることはほとんどなくって、毎週毎週出来上がったネームが面白いか面白くないかだけを判断してもらうという感じだったのですが、このときにマリコを殺さなかったことでさらに話が膨らんだので、ストップをかけてくれた担当さんには感謝です。 ◆エピローグのこと ラストは取って付けたようなハッピーエンドにするというのは最初から決めていたので、エピローグまでは心置きなく鬱展開を続けました。 その終わり方ですが、私の周りでは誰もキチンとまとめた最後を期待していなくって、むしろ全滅エンドとか、やっちゃらかしの意味不明エンドとか、とにかくインパクト重視の終わり方を求められていた感じでした。でもそういう終わり方が嫌いだったし、自分自身も意味不明のエンディングに感動できるほど度量が広くないので、そこは耳を塞いで誰からも求められていない「キチンとまとめたエンディング」を自分なりに描いてみました。 でも、概ね好評だったようで良かったです。 ◆キャラクターの名前 キャラクターの名前は基本的に適当で、だいたいが大学時代にいた漫研の部員の名前です。 ナナは「ムラサメ研究所で4番目に生まれたからフォウ」というのがすごくかっこいい!!とか思ったので・・・ キャラクターの名前が名字か名前の片方しかないのは、大友克洋先生の「アキラ」で、金田は金田、鉄雄は鉄雄で、大佐やドクターに至っては固有名詞さえないというドライさがかっこいい!!とか思ったので・・・ そして金田や鉄雄にもちゃんとフルネームがあったことを知ったのは結構最近です。 マリコが35番なのは「ミコ」という名前にしようと思ったからですが、さすがに自分の娘に番号の語呂合わせで名付ける親はいないだろうということでやめました。ナナをナナと名付けたのはナナ自身です。 * 今回はこのくらいで、後日また続きを書きたいと思います。 |
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